地域交通のリ・デザインで住みたくなるまちを実現!

衰退する公共交通
自家用車の利用割合が高い地方部では、公共交通機関の衰退が進みました。移動が不便なことを理由に、都市部に移住する若者も少なくありません。また、車を運転できなくなった高齢者も、代わりとなる移動手段がなければ暮らしにくくなります。こうした課題を解決するため、公共交通をデザインし直して、地域の活性化に結びつける「交通まちづくり」の研究が行われています。
ITを活用した移動手段のデザイン
ITの活用により、現代の移動手段は多様化しています。必要なときにアプリなどで呼び出すオンデマンド交通がその一例です。しかし、オンデマンド交通はどの地域でも適するわけではありません。1台で運べる人数に限界がありますし、対象エリアが広すぎると利用者を効率よく運ぶことができません。
仮想の空間でシミュレーションした結果、オンデマンド交通を効果的に運用できる広さは40平方キロメートル未満であることがわかりました。近距離の移動にはオンデマンド交通を、遠距離にはバスや鉄道を利用してもらうといった組み合わせが重要だと言えます。
地域に適した仕組みを提案する
福島県本宮市と山形県米沢市では、施設や住民が多い市街地ではタクシーの定額制サービス、郊外では路線バスや乗合タクシーと、移動手段を組み合わせ、外出がしやすい地域をめざしています。タクシーの価格は、走行距離や時間に応じて変わりますが、定額制にすることで住民が気軽に使えるようにしました。定額を超えた分のタクシー代は市が負担するため、タクシー会社は損をしません。市も利用データを集められるので、例えば、タクシー利用者の多い地点を参考にバスの経路を変えるといった工夫ができます。移動手段の選択肢を増やし、使いやすい仕組みをデザインすることで、「この地域に住み続けられる」と子どもから高齢者まで幅広い世代の住民に安心感を与えることができます。
現地調査や実証実験などを行い、多様な交通手段の中からその地域に適したものを行政に提案することも、交通まちづくり研究の一環です。
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