子育て中の保護者のつながりを創出する支援策

子育て中に抱える悩み
子育て中の保護者にとって、他者とのつながりは重要です。家の中で子どもとずっと過ごしていると、考えが行き詰まってしまうことがあります。そんなとき、身近に頼れる人がいれば、実際に子育てを手伝ってもらう、相談に乗ってもらうなどのサポートを受けられます。特に、少し前に子育てを経験した先輩とのつながりは、保護者にとって大きな支えになります。数カ月後や数年後の子どもの姿を見ることができて、子育てのノウハウなどを学べるからです。そこでK県では、まず子育てをしている母親を対象にした親支援プログラムを始めました。
K県の親支援プログラム
事例の一つが、「ノーバディーズ・パーフェクト・プログラム」という、体験学習サイクルの考えをベースとしたプログラムです。このプログラムでは、母親が主体的にディスカッションに参加して、ファシリテーター役の保健師などとともに課題への対処方法を考えます。それに向けてファシリテーターは事前に、母親が学びたい内容や困りごとを知るために、参加者一人一人と面談を行います。これにより、例えば子どもが靴を履きたがらなくて困っているときはどうするのかなど、母親の具体的な子育ての困りごとや要望に寄り添ってテーマ設定を行います。参加者たちはテーマへの共感を口にしたり、「前日に好きな靴を選ばせて玄関に置いておく」など、実践した解決策を発言したりします。そして次の週に実践した結果を共有して、自分たちなりの対処方法を見い出していきます。
参加者のその後を調査
プログラムの効果を調査すると、参加者の多くは悩みの共有や雑談などを通して仲良くなり、プログラム終了後も自主的に付き合いを続けていることがわかりました。そのため保護者同士の「つながり創出」にも一定の効果があるといえます。
全国の保護者を支援するために、各地域の課題を調査して適したプログラムを考案する研究や、ファシリテーターを担当できる保健師などの育成が行われています。
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