「この絵を見せてもいい?」 フィンランドに学ぶ子どもの権利

教育先進国の保育とは
フィンランドは、教育先進国として知られています。例えば、幼児教育・保育においても子どもを「一人の人間」として尊重する考え方が大切にされています。子どもは大人に教えられるだけの存在ではなく、自分の思いや意見を持つ存在だと考えられているのです。日本でも、子どもの権利や意見を尊重することの重要性が少しずつ意識されるようになってきました。しかし、日々の保育の中で、子どもの意思をどこまで尊重できているかを考えると、まだ課題もあります。フィンランドの保育を知ることは、日本の幼児教育・保育を見直す手がかりになります。
「嫌」と言える子どもたち
例えばフィンランドの園では、子どもがつくった作品を外部の見学者に見せるときにも、必ずその子自身に確認を取ります。子どもが嫌だと言えば、その作品は見せません。大人から見ると小さなことに思えるかもしれませんが、そこには「子どもにも自分の意思があり、それを表明する権利がある」という考え方があります。子どもの作品だから園や教師が自由に扱ってよいのではなく、その子自身のものとして尊重するのです。このような日常の行為の積み重ねが、子どもを権利の主体として見る保育につながっています。
日本の保育を考える手がかり
もちろん、フィンランドの方法をそのまま日本に取り入れればよいわけではありません。日本とフィンランド、さらに諸外国との間には、教育制度や保育の仕組みのほか、文化、人々の考え方、思想や宗教など、さまざまな違いがあります。同じ「子どもの権利を尊重する」という考え方でも、それが日々の保育の中でどのように実践されるかは、社会によって異なります。大切なのは、先進的な事例の背景にある考え方を読み解き、日本の現場に合う形を考えることです。
幼児教育・保育は、子どもの成長だけでなく、これからの社会のあり方にも関わります。フィンランドとの比較を通して、子どもの声をどう受け止め、どのような保育をつくっていくのかを考えられるのです。
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